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<< 地獄を笑ってしまうこの感性 | main | 今僕が思い出さないといけないもの〜中学入試と「オリジナル高木ブー伝説」 >>

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2008.10.10 Friday | - | -

尾崎豊『十五の夜』とヘッセの『少年の日の思い出』

尾崎豊
ソニーミュージックエンタテインメント
¥ 2,304
(1991-05-15)
尾崎豊の『十五の夜』がラジオから流れてきたときは衝撃だった。

14か15の時だったから。

甲斐バンドの甲斐よしひろのラジオだった。

「時代は変わりますね」と言ってたのを覚えてる。

デビュー前だったから顔なんて見たことなかったけど

「すごい才能だな」って思った。

久しぶりに今日は聞いてるけどやぱり才能が違う。

それまでの歌と視点が違ったもの。

中学生や高校生の視点からの詞だから

共感できたと思う。

自分が中学生の時に聞いていた曲を今聞くなんて

すごく人に言うのは恥ずかしいんだけれど

だってお前は成長してないのか、みたいに思われそうで、

けれど今聞いても才能が溢れてるなって思う。

無理に「ロッケン・ローーーーール!」とか叫んでるのは

その時の売り方だったんだけど

今となってはそういうのはノイズで、才能しか見えない感じだ。

もちろん今の中学生は総合的に見ていると思うけど。



演奏はこちら↓

尾崎豊 −『十五の夜』



落書きの教科書と 外ばかり見てる俺
超高層ビルの上の空 届かない夢を見てる
やり場のない気持ちの 扉破りたい

(略)

しゃがんでかたまり背を向けながら
心のひとつもわかりあえない大人達をにらむ
そして仲間たちは今夜家出の計画を立てる
「とにかくもう学校や家には帰りたくない」
自分の存在がなんなのかさえわからず震えている十五の夜

(略)

冷たい風 冷えたからだ 人恋しくて
夢見てるあのこの家の横を サヨナラつぶやき走り続ける
闇の中 ぽつんと光る自動販売機
100円玉で買えるぬくもり
熱い缶コーヒー握りしめ

(略)

盗んだバイクで走り出す 行く先もわからぬまま
暗い夜の帳の中へ
誰にも縛られたくないと逃げ込んだこの夜に
自由になれた気がした十五の夜



こんなのって共感出来ない子供って少ないと思う。

絶対にこの年代の一面を捉えている。

本気じゃなくても漠然とみんな家を出たい

親と離れたいって思ったりする。(一緒に住んでいたら)


それにすごいのが英語がひとつも出てこないところだ。

あれがやっぱり才能だった。

英語を使わなかったところにすごい才能を感じる。


自動販売機のところなんて梶井基次郎の感覚でしょ?

「闇の中 ぽつんと光る 自動販売機

 100円玉で買えるぬくもり 熱い缶コーヒー握りしめ」

これなんてNHKのテレビの短歌の番組の先生なんて

添削しようがないんじゃないだろうか?

「先生より上手です」って言うしかない。



だいたい詞のはじめから立体的だ。

目の前の教科書と超高層ビルの対比が見事すぎる。

こんなのもうちょっとずるかったら総理大臣賞がもらえそうな作文だ。



目の前の教科書がまずあって、「外ばかり見てる俺」で視線が水平に動いて

(同時に内から外へ動いて)その視線が「超高層ビルの上の空」で今度は垂直に上っていく。

そしてその距離感を感じさせておいて「届かない夢を見てる」とくる見事さ。

こんなん才能ありすぎでしょ?

こんな文章書ける人あんまりいませんよ。



っていうか、これって別になんにも極端な話じゃなくて

ロックとか思うからいけないんですよね。

はじめから「純文学」だと思えば誤解はなかったんだと思う。

活字だけで楽しむんじゃなくて

たまたまメロディーがあって演奏があって叫んだりしてるから

勘違いして「なに青臭いことほざいてんだ」ってなるんだけど

「文学」だと思えばこんなテーマはいっぱいあるし

表現としてはすごく優れてて

「文学新人賞」をあげればよかったんですよね。


たまたまうちの塾は中学の教科書は光村使ってるんですが

2年生のはじめの小説は中沢けいの

『雨の日と青い鳥』なんです。

すごいいい小説なんですが

私にとっては尾崎豊の詞も教科書にのってる小説も

そんな違いはわからないんですよね。


1年生の教科書にのってるヘッセの『少年の日の思い出』なんか

胸がしめつけられそうになる。


私は毎日中学生と接しているけど

彼らの気持ちがわかるんだ、なんて思ったことはない。

「お前、なに考えてんねん」って思うことのほうが多い。

ただ自分だって十五歳の時があったし

そのときはこういう気持ちになったけど

家出もしなかったしバイクも盗まなかった。

けれど共感はすごくした。



尾崎豊を今見ても熱狂はしない、

いやむしろ痛々しいところもある。

けれどそれはヘッセの『少年の日の思い出』のような

誰でも大なり小なり経験のあることと同じだ。

それはまぎれもない15歳前後の若者の

一面を映している。










あとこの歌も上手につくってますね。

尾崎豊 -『シェリー』

これはもっと年代がうえでも聞ける曲だ。






では。




2007.08.30 Thursday | comments(1) | trackbacks(0)

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2008.10.10 Friday | - | -

Commnets

初めまして。

今頃になって、リンク貼らせて頂きました。

勝手に書いてますが、ご高配ください。

取り急ぎご挨拶まで。

ハル | 2007/11/03 9:20 AM

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